AGAとはどんな症状?薄毛治療の種類と効果や期間を紹介

- 2024.12.25

皆様はAGAをご存じでしょうか?AGAとは、Androgenetic Alopeciaの略で、男性型脱毛症を指します。薄毛に悩む人でAGA治療が、本当に効果があるのかどうか気になる人も多いでしょう。

この記事では、AGA治療の効果や期間、費用について、具体的な事例や専門家の見解を交えながら、詳しく解説していきます。

AGAの症状と原因とは?薄毛治療の種類と効果を解説

AGAが発症してしまう原因と薄毛治療の方法

薄毛治療と言っても、その原因や症状、進行度合いによって最適な治療法は一人ひとりで異なってきます。AGA治療を検討する前に、まずはAGAの基本的な知識を身につけ、ご自身に合った治療法を見つけ出すことが大切です。

AGAが発症するメカニズムと原因

AGAとは、男性ホルモンの影響で髪の毛が薄くなる病気です

髪の毛の成長には、テストステロンという男性ホルモンが深く関わっています。テストステロンは、体内で「5αリダクターゼ」という酵素と結びつくと、髪の毛の成長を抑えてしまう「ジヒドロテストステロン(DHT)」という物質に変わってしまいます。
AGAの人は、このDHTの影響を特に受けやすい体質のために、髪の毛が十分に成長する前に抜け落ちてしまうのです。

AGAの原因は、遺伝や生活習慣などのさまざまな要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。

例えば、カウンセリングでは、次のような項目が聞かれます。

AGAを引き起こす要因
  • 遺伝
    AGAは遺伝的な影響が大きい病気です。ご両親や祖父母にAGAの方がいる場合、AGAを発症する可能性が高くなる場合があります。
  • 男性ホルモン
    AGAは男性ホルモンの影響を強く受ける病気です。思春期以降に男性ホルモンの分泌が活発になると、AGAを発症しやすくなります。
  • 生活習慣
    食生活の乱れや睡眠不足、ストレスなどはAGAの発症や進行に影響を与える一因です。特に、最近では若い世代で食生活の乱れが目立ち、それが若年性AGA増加の一因とも言われています。
  • 喫煙
    タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があり、頭皮の血行不良を引き起こす原因です。その結果、毛根に栄養が行き渡らず、髪の毛の成長を阻害してしまうのです。
  • 飲酒
    過剰な飲酒は、髪の毛の成長に必要な栄養素の吸収を阻害したり、頭皮の炎症を引き起こしたりする可能性があります。
  • 睡眠不足
    睡眠不足は、髪の毛の成長を促す成長ホルモンの分泌を抑制してしまいます。

男性型脱毛症(AGA)の進行段階

AGAは、ゆっくりと進行していく病気です。一般的には、額の生え際や頭頂部の髪の毛が薄くなることから始まります。

AGAの進行段階は、大きく分けて7つの段階に分けられます。

AGAの進行段階
  • ステージ1
    AGAの初期段階です。自覚症状はほとんどありません。ご自身の頭皮や髪の毛の状態を意識していないと、この段階で見つけることは難しいかもしれません。
  • ステージ2
    額の生え際が少しずつ後退し始めます。
  • ステージ3
    額の生え際の後退がさらに進みます。鏡を見るたびに、以前よりもおでこが広くなったように感じるかもしれません。
  • ステージ4
    頭頂部の髪の毛も薄くなり始めます。頭頂部を触ってみると、以前よりも頭皮の感触がやわらかくなっていることに気づくかもしれません。
  • ステージ5
    額の生え際と頭頂部の脱毛部分が広がっていきます。
  • ステージ6
    頭頂部の脱毛部分がつながり、頭髪全体が薄くなります。
  • ステージ7
    側頭部と後頭部を残して、ほとんどの髪の毛が抜け落ちてしまいます。

AGAは進行性の病気であるため、早期に治療を開始することが大切です。「まだ大丈夫だろう」と軽く考えずに、少しでも気になるところがあれば、早めに専門医に相談することをおすすめします。

薄毛治療の方法と期待できる効果

AGAの治療法には、大きく分けて「薬物療法」「植毛」「注入治療やレーザー治療」の3つの種類があります。

  1. 1薬物療法

    AGAの治療薬には、主に「フィナステリド」と「ミノキシジル」という2種類の成分が用いられます。

    • フィナステリド:フィナステリドは、DHTの生成を抑えることで抜け毛を減らし、発毛を促す効果がある治療薬です。
    • ミノキシジル:ミノキシジルは、頭皮の血行を促進することで、毛母細胞に栄養を与え、発毛を促す効果があります。
  2. 2植毛

    自分の髪の毛を、薄毛の部分に移植する方法です。

    • 自毛植毛:後頭部など、AGAの影響を受けにくい部分から髪の毛を採取し、薄毛の部分に移植します。
    • 人工毛植毛:人工的に作られた毛髪を、頭皮に埋め込みます。
  3. 3注入治療やレーザー治療

    薬物療法や植毛以外のAGA治療法として、頭皮に有効成分を注入するメソセラピーやレーザー治療、育毛剤などがあります。

それぞれの治療法には、メリットとデメリットがあります。治療法を選択する際には、医師とよく相談し自分に合った治療法を見つけることが大切です。

AGA治療における薬剤の役割と効果

薄毛に悩んでいざAGA治療に臨もうと決意しても、具体的な治療法となると、なかなかイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、AGA治療の中核を担う「薬」に焦点を当て、その種類や効果、メカニズムについて解説していきます。

フィナステリドの効果と使用方法

「フィナステリド」は、AGA治療において世界中で最も広く使用されている薬です。この薬は、薄毛を進行させる原因物質である「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑える働きがあります。

フィナステリドは、「5αリダクターゼ」の働きをブロックすることで、DHTの生成を抑え、抜け毛を減らす効果があります。

フィナステリドは、通常1日1回、食後に服用します。効果が現れるまでには個人差がありますが、3ヶ月から半年程度の継続が必要です。効果が出るまでには時間がかかりますが、焦らずに治療を続けることが大切です。

ミノキシジルの効果と使用方法

「ミノキシジル」は、頭皮に直接塗布するタイプの薬です。毛根に直接働きかけ、髪の毛の成長を促進する効果があります。

ミノキシジルは、頭皮の血管を拡張することで血流を改善し、毛包に栄養や酸素を十分に届けます。その結果、髪の毛の成長サイクルを正常化し、発毛を促すのです。

ミノキシジルは、1日2回、頭皮に塗布します。フィナステリドと併用することで、より高い効果が期待できます。ミノキシジルには、液体タイプと泡タイプがあり、髪の毛の長さや頭皮の状態に合わせて使い分けることが可能です。

その他の治療薬とその特徴
ケトコナゾール

頭皮の炎症や、フケやかゆみの改善に効果的です。AGA治療薬と併用されることがあります。特に、頭皮の炎症がひどく、かゆみや赤みを伴う場合に有効です。

成長因子製剤

毛髪の成長を促進するタンパク質の一種である「成長因子」が含まれてるものです。頭皮に注射することで発毛を促す効果が期待できます。血小板由来や脂肪由来などのさまざまな種類があります。

これらの薬は、患者さんの症状や体質に合わせて、医師が適切なものを選択します。AGA治療は、自己判断で薬を選んだり、使用を中止したりすることは大変危険です。必ず医師の指示に従って、治療を進めていきましょう。

AGA治療の期間と期待できる効果

AGA治療で効果を実感できるまでに必要な期間

AGA治療は、薄毛治療の中でも比較的効果を実感しやすい治療法として知られていますが、治療の効果が表れるまでには、ある程度の期間が必要です。

ここでは、AGA治療の効果が期待できるまでの期間や、治療効果に個人差が出る理由、そして継続的な治療の重要性について詳しく解説していきます。

AGA治療の効果が現れるまでの期間

AGA治療の効果が実感できるまでの期間は、一般的には3ヶ月から6ヶ月程度と言われています。
なぜなら、髪の毛には成長サイクル(ヘアサイクル)があり、新しい髪の毛が生え変わるまでには時間がかかるからです。

AGA治療薬は、髪の毛の成長サイクルを正常化し、発毛を促進する効果があります。しかし、効果が表れるまでには、このヘアサイクルに従って、ある程度の時間が必要となるのです。
例えば、健康な髪の毛の場合、1日に約0.3~0.4mm伸びると言われていますが、AGA治療薬を服用したからといって、髪の伸びるスピードが劇的に早くなるわけではありません。

AGA治療の効果が表れるまでには、焦らずにじっくりと待つことが大切です。

薄毛の進行度合いなどの個人差による効果の違い

AGA治療の効果は、患者さん一人ひとりによって大きく異なります。AGA治療の効果に個人差が生じる要因は、実にさまざまです。

AGA治療に個人差が生じる要因
  • AGAの進行度合い
    AGAの進行が初期段階であれば、健康な髪の毛の成長サイクルが残っているため、薬の効果が出やすい傾向にあります。
    反対に、AGAが進行した状態では、毛根が弱ってしまっているため、効果を実感するまでに時間がかかったり、思うように効果が出なかったりするケースもあります。
  • 生活習慣
    食生活の乱れや睡眠不足、喫煙、過剰な飲酒、ストレスなどは髪の毛の成長を阻害する要因です。AGA治療薬の効果を最大限に引き出すためには、健康的なライフスタイルを心がけることが重要です。
  • 年齢
    年齢を重ねるにつれて、細胞の活動は徐々に低下していきます。髪の毛の成長も例外ではなく、年齢を重ねるごとに髪の毛の成長サイクルは遅くなり、効果が表れるまでに時間がかかる傾向にあります。
  • 体質
    薬の吸収率や代謝速度には個人差があり、一定ではありません。AGA治療薬も同様で、薬の成分が効率良く吸収され、効果を発揮しやすい体質の人もいれば、そうでない人もいます。
  • 治療への反応性
    治療に対する反応性には個人差があります。同じ薬を使用しても、効果が強く出る人、穏やかに効果が出る人、なかなか効果が出にくい人など、反応性はさまざまです。

継続的なAGA治療の重要性

AGA治療で最も重要なことは、医師の指示に従って根気強く治療を継続することです。AGAは進行性の病気であるため、治療を中断してしまうと再び症状が進行してしまう可能性があります。

AGA治療の効果を維持し、薄毛の進行を抑制するためには、継続的な治療が欠かせません。
AGA治療の効果を実感し始めるまでには、ある程度の期間が必要となります。焦らずに、医師と相談しながら治療を継続していくことが大切です。

AGA治療にかかる費用の相場について

AGA治療を始めたいと思っても、自由診療のため保険適用外となるケースが多いため、費用が気になってなかなか治療を始められない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、AGA治療の費用について、治療法の種類別の費用相場から保険適用の可能性、治療費以外にかかる費用や治療を継続していくために必要なコストまでわかりやすく解説していきます。

各AGA治療方法の料金相場

AGA治療の治療法は多岐に渡り、大きく「薬物療法」「メソセラピー」「植毛」などに分類されます。

それぞれの治療法の特徴と費用の目安を具体的に見ていきましょう。

治療法 費用相場 特徴
薬物療法 月々5,000円~15,000円程度 比較的安価で、手軽に治療を始められるというメリットがあります。
メソセラピー 1回あたり30,000円~60,000円程度 頭皮に直接有効成分を注入するため、効果を実感しやすいというメリットがあります。
効果を得るためには10回程度通院が必要です。
植毛 50万円~100万円程度 自分の髪の毛を移植するため、より自然な仕上がりになるというメリットがあります。

例えば、薬物療法で広く処方されているフィナステリドという薬は、1ヶ月あたり4,000円~7,000円が相場です。ミノキシジルという薬を併用する場合には、さらに費用がかかります。

保険適用の可能性とその範囲

AGA治療は基本的に自由診療となるため、健康保険は適用されません。

しかし、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎など、他の病気によって抜け毛が起こっている場合は、健康保険が適用される可能性があります。
例えば、円形脱毛症の治療では、ステロイド薬の服用や注射などが行われますが、これらの治療は健康保険の対象です。

脱毛の原因によって、保険適用となるかどうかが決まります。そのため、治療費について疑問や不安がある場合は、遠慮なく医師に相談するようにしましょう。

追加費用と治療の維持コスト

AGA治療では、診察費や薬剤費以外にも、血液検査や頭皮の状態をチェックする検査費用など、治療費とは別に費用が発生する場合があります。

初期費用としては、初診料が無料~5,000円程度、血液検査が5,000円~10,000円程度かかるクリニックが多いようです。
また、クリニックによっては、頭皮の状態を詳しく調べるマイクロスコープ検査などを別途費用で行っている場合もあります。

AGA治療は、効果を持続させるためには、継続的な治療が必要となるケースがほとんどです。そのため、治療を続ける限り薬剤費や診察費などの費用がかかり続けます。
治療を継続する場合は、ご自身の経済状況も考慮しながら、無理なく続けられる治療計画を医師と相談していくようにしましょう。

AGA治療のメリットとデメリット

AGA治療を始めようか悩んでいる方は、治療のメリットとデメリットについてしっかりと理解しておくことが大切です。
AGA治療は、薄毛の進行を遅らせたり、髪の毛を増やしたりする効果が期待できる一方で、副作用が出る可能性もあります。

ここでは、AGA治療のメリットとデメリットについて詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

薬剤治療のメリットとデメリット

AGA治療の代表的な方法として、薬を使った治療があります。薬物療法には、内服薬と外用薬の2種類があり、どちらも効果や副作用が異なります。

ここでは、それぞれの薬剤の特徴やメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

  1. 1フィナステリドの内服薬

    フィナステリドは、AGAの原因に直接アプローチする薬なので、抜け毛予防効果が非常に高い点がメリットです。

    フィナステリドのメリット
    • 抜け毛を減らす効果が高い
    • 長期的な服用で発毛効果も期待できる
    • ジェネリック医薬品もあるため、比較的安価に入手しやすい
    フィナステリドのデメリット
    • 効果が現れるまでに時間がかかる(個人差はあるものの、効果を実感するまでに3か月~半年程度かかることが多い)
    • 性欲減退や勃起不全などの副作用が起こる可能性がある(ただし、発症率は1%未満と低い)
  2. 2デュタステリドの内服薬

    デュタステリドは、フィナステリドと同じく、テストステロンがDHTに変換されるのを阻害する薬です。

    フィナステリドとの違いは、デュタステリドの方がより強力にDHTの生成を抑制する効果がある点です。

    そのため、フィナステリドよりも高い効果が期待できますが、その分、副作用のリスクも高くなります。

    デュタステリドは、フィナステリドで効果が不十分だった場合や、より早く効果を実感したい場合に有効な選択肢となります。

    デュタステリドのメリット
    • フィナステリドよりも高い効果が期待できる
    • フィナステリドが効かなかった場合でも効果が期待できる場合がある
    デュタステリドのデメリット
    • フィナステリドよりも副作用が起こる可能性が高い
    • フィナステリドよりも高価である
  3. 3ミノキシジルの外用薬

    ミノキシジルは、頭皮の血行を促進し、毛母細胞に栄養を届けやすくすることで発毛を促進する外用薬です。また、毛母細胞の働きを活性化させる効果もあるため、髪の毛の成長期を延長させる効果も期待できます。

    ミノキシジルは、直接頭皮に塗布するため、効果が表れやすいというメリットがあります。

    ミノキシジルのメリット
    • 比較的効果が現れやすい(個人差はあるものの、効果を実感するまでに2か月~4か月程度かかることが多い)
    • フィナステリドやデュタステリドのような性機能に関する副作用が少ない
    ミノキシジルのデメリット
    • 頭皮のかゆみやかぶれなどの副作用が起こる可能性がある
    • 毎日塗布する必要があるため、手間がかかる

主な副作用とその対策

AGA治療薬は、安全性が高い薬ではありますが、服用や使用によって体に何らかの副作用が現れる可能性があります。

AGA治療薬の主な副作用

性欲減退、ED(勃起不全)、肝機能障害、動悸、めまい、頭痛、吐き気など

AGA治療薬の副作用として特に注意が必要なのが、性機能に関する副作用です。フィナステリドやデュタステリドは、男性ホルモンの働きを抑制する薬であるため、性欲減退やEDなどの副作用が起こる可能性があります。

これらの副作用は、発症率としては1%未満と非常に低いものの、万が一副作用が出た場合は、医師に相談し薬の種類を変更したり、服用を中止したりするなどの対応が必要となります。

他にも、AGA治療を始めて1ヶ月程経過すると、髪の毛が生え変わる過程の初期脱毛が発生します。
AGA治療の初期脱毛は以下の記事でまとめているので、参考にしてください。

AGA治療の副作用への対策
  • 服用前に医師に、過去の病歴や現在服用している薬について伝える
  • 服用中に体に異変を感じたら、すぐに医師に相談する
  • 自己判断で服用を中止しない
  • 定期的に血液検査を受け、肝機能などをチェックする

植毛手術のリスクと利点

植毛手術とは、自分の後頭部などから毛根を採取し、薄毛が気になる部分に移植する手術です。
手術には、メスで頭皮を切開して毛根を採取する「FUT法」と、特殊な器具を使って毛根を採取する「FUE法」の2種類があります。

植毛手術は、薬物療法とは異なり、外科手術を行うため、体への負担が大きいことがデメリットです。

植毛手術は、一度手術を受ければ、半永久的に効果が持続するという点も大きな魅力です。

植毛手術のメリット
  • 効果が比較的早く現れる
  • 自分の髪の毛なので、自然な仕上がりになる
  • 一度手術を受ければ、半永久的に効果が持続する
植毛手術のデメリット
  • 手術費用が高額になる
  • 手術跡が残る可能性がある
  • 手術後、頭皮が腫れたり、痛みが出たりする
  • 感染症などのリスクがある

AGA治療には、さまざまな方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
どの治療法が適しているかは、患者の症状やライフスタイルによって異なるため、医師とよく相談して自分に合った治療法を選択することが大切です。

自宅でできるAGA対策と生活習慣

日常でできるAGAへの対策

AGAの治療は、専門クリニックでの治療が効果的ですが、日常生活の中でできる対策も非常に重要です。なぜなら、AGAは遺伝や体質だけが原因ではなく、日々の生活習慣や環境要因も大きく関わっているからです。
例えば、睡眠不足や偏った食生活、ストレスの多い生活を送っていると、頭皮環境が悪化し、AGAの発症リスクを高めてしまう可能性があります。

バランスが良い健康的な食生活の重要性

健康で丈夫な髪の毛を育てるためには、バランスの取れた食事を通して必要な栄養素をしっかりと摂取することが不可欠です。
しかし、現代の忙しい生活の中で、毎日栄養バランスを完璧に整えるのはなかなか難しいものです。

そこで、特に意識して摂取したい栄養素をいくつかご紹介します。

  1. 1タンパク質

    髪の毛の約8割は、ケラチンというタンパク質からできています。
    肉、魚、卵、大豆製品などがタンパク質を豊富に含む食品です。バランス良く摂取することで、髪の毛の成長をサポートできます。
    例えば、朝食に卵料理を追加したり、昼食に鶏肉のサラダを選んだりするだけでもタンパク質摂取量を増やせます。

    プロテインを飲めばいいと安易に考える方もいますが、プロテインはあくまでも補助的なものと捉え、まずは普段の食事からタンパク質を意識して摂取することが重要です。

  2. 2亜鉛

    亜鉛は髪の毛の成長を促すだけでなく、頭皮の健康維持にも欠かせないミネラルです。牡蠣や牛肉、レバー、ナッツ類などに多く含まれています。

    毎日の食事に取り入れるのが難しい場合は、サプリメントで補うのも一つの方法です。

  3. 3ビタミン類

    ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなど、さまざまなビタミンが髪の毛の成長や健康に貢献しています。
    これらのビタミンは、緑黄色野菜や果物、海藻などに多く含まれているため、意識して摂取するようにしましょう。

    特にビタミンB群は、頭皮の皮脂分泌をコントロールしたり、毛母細胞の働きを活性化したりする効果があり、AGAの予防に効果が期待できます。

    • ビタミンB2:レバー、うなぎ、納豆、卵
    • ビタミンB6:マグロ、カツオ、バナナ、にんにく
    • ビタミンB7:(ビオチン):レバー、卵黄、納豆

    毎日の食事を見直し、これらの栄養素を意識して摂取することで頭皮環境を改善し、AGAの予防・改善につなげていきましょう。

頭皮ケアの基本とポイント

健康な髪を育てるためには、頭皮環境を整えることが重要です。

頭皮は顔の皮膚とつながっているため、顔と同じように丁寧なケアが必要です。
適切な頭皮ケアを行わなければ、頭皮が乾燥したり、皮脂が過剰に分泌されたりして毛穴が詰まり、髪の毛の成長を阻害する可能性があります。

健康な頭皮環境を維持するために、頭皮ケアの基本を3つ覚えておきましょう。

  1. 1シャンプー前にブラッシング

    ブラッシングには頭皮の汚れを浮き上がらせ、シャンプーの効果を高める効果があります。

    また、頭皮の血行促進効果も期待できますが、強くこすりすぎると頭皮を傷つけてしまうため、注意が必要です。
    頭皮を傷つけないように毛先から優しくブラッシングし、毛が絡まっている場合は無理に引っ張らず、丁寧にほぐすようにしましょう。

    頭皮がデリケートな方はブラシではなく、クッション性のあるパドルブラシを使用するのもおすすめです。

  2. 2ぬるま湯でしっかりすすぐ

    熱いお湯は、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまうため、38度程度のぬるま湯で洗い流すようにしましょう。

    シャンプーやコンディショナーが残っていると、頭皮の炎症やフケ、かゆみの原因となるため、丁寧にすすぐことが大切です。
    すすぎ残しが多い部分としては、髪の生え際や耳の後ろなどが挙げられます。これらの部分は、指の腹を使って優しくマッサージするように洗い流すのが効果的です。

  3. 3頭皮を保湿する

    洗髪後は頭皮の水分が蒸発しやすく、乾燥しやすいため、保湿ケアを行うことが大切です。 頭皮に適度な潤いを与えることで、乾燥を防ぎ、バリア機能を保つことができます。

    保湿ケアには、頭皮用ローションや美容液を使用するのが効果的です。 顔用の化粧水や乳液を頭皮に使用する方もいますが、頭皮環境に適していない成分が含まれている場合もあるため、注意が必要です。頭皮は顔よりもデリケートな部分であることを意識し、専用の頭皮ケア用品を使用するようにしましょう。

毎日の頭皮ケアを習慣化することで、頭皮環境を整え、AGAの予防・改善を目指しましょう。

ストレス管理とその影響

ストレスはAGAの進行を促進する要因の一つです。ストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、頭皮への血流が悪くなります。
その結果、毛根に栄養が行き渡らなくなり、髪の毛の成長サイクルが乱れてAGAのリスクが高まります。

また、ストレスは男性ホルモンの分泌量を増やす原因です。
ストレスを完全に無くすことは難しいですが、自分なりのストレス解消法を見つけ、上手に付き合っていくことが大切です。

ここでは、ストレスを軽減するための具体的な方法をいくつかご紹介します。

  1. 1適度な運動

    軽い運動は、ストレスホルモンの分泌を抑え、気分をリフレッシュさせる効果があります。
    激しい運動は、逆にストレスホルモンの分泌を増加させてしまう可能性があるため、ウォーキングや軽いジョギング、ヨガなど、無理のない運動を選びましょう。

    運動不足を感じている方は、まずは週に2?3回程度、30分程度のウォーキングから始めてみましょう。

  2. 2十分な睡眠

    睡眠中は、成長ホルモンが分泌され、体の修復や疲労回復が行われます。 睡眠不足は、自律神経のバランスを乱し、ストレスを増加させる原因となるため、質の高い睡眠を十分に取るように心がけましょう。

    睡眠の質を高めるためには、寝る前にスマホやパソコンの画面を見る時間を減らしたり、リラックス効果のあるハーブティーを飲んだりするのも有効です。
    また、寝室の環境を整えることも重要です。室温や湿度を適切に保ち、遮光カーテンを使用して光を遮断することで、より質の高い睡眠を得やすくなります。

  3. 3趣味の時間

    好きなことに没頭する時間は、ストレスを発散し、心をリラックスさせてくれます。趣味がないという方は、新しい趣味に挑戦してみるのも良いでしょう。
    最近では、オンラインで気軽に始められる趣味も多いので、興味のあるものがあれば、まずは体験レッスンなどに参加してみてはいかがでしょうか。

ストレスを溜め込みすぎず、心身ともに健康な状態を保つことが、AGAの予防・改善につながります。

日常生活への影響はある?AGAに関するよくある質問

AGA治療中は、治療の効果や生活上の注意点など、気になることが多くあると思います。ここでは、AGA治療に関するよくある質問について、より詳しく解説していきます。

AGAの治療中に生活への影響はある?

AGAの治療中に日常生活で気を付けるべき点は、以下のポイントです。

  1. 1薬剤治療中の注意点

    AGA治療で広く用いられているフィナステリドやデュタステリドなどの内服薬は、男性ホルモンの働きを抑制する効果があります。

    そのため、服用中は以下のような点に注意が必要です。

    飲酒について

    過度な飲酒は肝臓に負担をかけ、AGA治療薬の代謝に影響を与える可能性があります。 その結果、薬の効果が十分に得られなかったり、副作用のリスクが高まったりする可能性も考えられます。

    どのくらいの量ならお酒を飲んでもいいのかと気になる方もいるでしょうが、お酒との付き合い方は個人差が大きいため、一概にどれくらいならOKとは言えません。

    治療効果を最大限に得るためにも、まずはご自身の飲酒習慣について包み隠さず医師に伝えることが大切です。 その上で、飲酒量や頻度について医師と相談しながら決めていきましょう。

    献血について

    AGA治療薬を服用している方の血液は、胎児への影響が懸念されるため、献血ができません。

    献血ぐらい大丈夫だろうと安易に考えてはいけません。
    仮に、AGA治療薬を服用している方の血液が、妊娠の可能性のある女性や妊婦さんに輸血されてしまった場合、胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
    治療終了後も一定期間は献血ができないため、ご注意ください。

    パートナーの妊娠について

    フィナステリドやデュタステリドは、男性ホルモンに作用する薬のため、パートナーが妊娠を希望する場合、服用を中止する必要があります。 服用を中止すれば、一定期間後には妊娠が可能となります。

    妊娠や出産は、人生における一大イベントです。AGA治療によって、これらのイベントが阻害されることがないように事前に医師としっかりと話し合っておくことが大切です。

    服用時間について

    基本的には、毎日同じ時間に服用することが大切です。 毎日同じ時間に服用することで、血中濃度を安定させ、効果を最大限に引き出すことができます。

    食前・食後などの指定はありませんが、飲み忘れを防ぐために、朝食後や夕食後など、生活リズムに合わせた服用時間を見つけると良いでしょう。
    毎日欠かさず服用していることを忘れないように、スマートフォンのアラーム機能を活用したり、薬手帳に服用時間を記録したりするのも有効です。

  2. 2植毛手術後の注意点

    植毛手術を受けた場合は、手術後しばらくの間、頭皮の赤みや腫れが見られることがあります。

    また、手術部位の感染を防ぐためにも、以下の点に注意が必要です。

    洗髪について

    手術後数日間は、頭皮を強くこすったり、熱いお湯をかけたりしないようにしましょう。
    ゴシゴシと強くこすってしまうと、せっかく移植した毛根にダメージを与え、定着率が低下してしまう可能性があります。 また、熱いお湯も頭皮への刺激となるため、注意が必要です。

    医師の指示に従って、シャンプーやコンディショナーを使用してください。

    運動について

    手術後しばらくは、激しい運動や汗を大量にかくような運動は避けましょう。
    激しい運動は、血行を促進し、頭皮への負担を増大させる可能性があります。 また、汗には塩分や老廃物が含まれており、これが手術部位に付着すると、炎症や感染症のリスクが高まる可能性も考えられます。
    手術部位への負担を軽減し、清潔に保つことが大切です。

    飲酒・喫煙について

    飲酒や喫煙は、手術後の傷の治りを遅らせる要因です。
    飲酒は血行を促進しすぎ、腫れや内出血を悪化させる可能性があります。 また、喫煙は血管を収縮させ、血行不良を引き起こします。
    その結果、手術部位への栄養や酸素の供給が滞り、治りが遅くなってしまうのです。 手術後しばらくは、禁酒・禁煙を心がけましょう。

  3. 3日常生活における注意点

    AGA治療中は、バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、健康的な生活習慣を維持することが大切です。
    しかし、忙しい現代社会において、これらの項目をすべてクリアすることは、なかなか難しいものです。

    AGA治療の効果を最大限に引き出すためにも、できることから少しずつ改善していくことが大切です。
    また、ストレスを溜め込みすぎないように、趣味やリフレッシュの時間を作ることも重要です。

AGA治療の効果が現れない時の対応策は?

AGA治療を始めても、なかなか効果を実感できないと不安な気持ちでいっぱいになってしまう方もいるかもしれません。

効果が実感できない場合は、以下の3つのポイントを確認してみましょう。

  1. 1治療期間が十分かどうか

    AGA治療は、効果が現れるまでに時間がかかる治療です。 内服薬の効果は一般的に3ヶ月?半年後、発毛効果が実感できるまでには1年以上かかる場合もあります。

    髪の毛には、ヘアサイクルと呼ばれる、成長期、退行期、休止期というサイクルがあります。
    AGA治療薬は、このヘアサイクルに働きかけて発毛を促す効果がありますが、効果が出るまでには、ヘアサイクルに従って、ある程度の時間がかかってしまうのです。
    焦らずに、気長に治療を続けることが大切です。

  2. 2正しい治療が行われているか

    自己判断で市販薬を使用したり、治療を中断したりすると、効果が得られないばかりか、症状が悪化してしまう可能性もあります。 AGA専門クリニックを受診し、自分の症状や体質に合った治療法を継続することが重要です。

    AGA専門クリニックでは、頭皮や毛髪の状態を詳しく診察し、患者さん一人ひとりに最適な治療法を提案してくれます。
    自己流の治療で思うような効果が得られない場合は、一度AGA専門クリニックを受診するのがおすすめです。

    具体的には、以下のような対応策が考えられます。

    治療法の見直し

    フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬で効果が得られない場合は、ミノキシジル外用薬を追加したり、ミノキシジルの濃度を上げたりするなど、治療法を変更することで効果が期待できる場合があります。

    治療を始めてから一定期間経過しても効果が見られない場合は、医師に相談し、治療法の見直しを検討してみましょう。 場合によっては、他の治療法と組み合わせることで、より高い効果が得られることもあります。

    生活習慣の改善

    どんなに効果の高い治療を受けていても、不規則な生活習慣や食生活の乱れを改善しない限り、AGAの進行を止めることはできません。 規則正しい生活習慣や、バランスの取れた食生活を送るようにと、口酸っぱく言われている方も多いのではないでしょうか。

    しかし、実際には、仕事が忙しく睡眠を十分にとれていない方や、外食ばかりで栄養バランスが偏っているという方も少なくないと思います。 まずは、ご自身の生活習慣を振り返り、改善できるポイントを探してみましょう。

    例えば、睡眠時間をしっかりと確保するために、寝る前にスマホを見る時間を減らしたり、食事の内容を見直したりとできることから少しずつ始めてみましょう。

    他の疾患の可能性

    AGAではなく、他の疾患が原因で脱毛している可能性もあります。
    例えば、甲状腺疾患や鉄欠乏性貧血などです。 これらの疾患は、脱毛以外にも、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。

    他の原因かもと少しでも気になる場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、検査を受けるようにしましょう。

  3. 3自分に合った治療法を選択できているか

    AGA治療には、内服薬や外用薬、メソセラピー、植毛など、さまざまな治療法があります。
    これらの治療法は、AGAの進行度や頭皮の状態、体質、経済状況などを考慮して、患者さん一人ひとりに合ったものを選択する必要があります。

    治療法を選択する際には、医師とじっくりと相談し、メリットだけでなくデメリットもきちんと理解した上で、最終的に決断することが大切です。

AGAとその他の脱毛症との違いは?

AGAは、男性ホルモンが大きく関与している脱毛症ですが、AGA以外にもさまざまな種類の脱毛症があります。自分の症状がAGAによるものなのか、他の脱毛症によるものなのか自己判断で決めつけることは大変危険です。

それぞれの脱毛症の特徴と見分け方について解説しますので、ご自身の症状と照らし合わせてみてください。

脱毛症の種類 特徴 AGAとの見分け方
円形脱毛症 頭皮の一部分または全身の毛が円形または楕円形に抜け落ちる病気。10円玉ハゲとも呼ばれる。 ・抜け毛の形が円形または楕円形である
・境界線がはっきりとしている
・かゆみなどの自覚症状がないことが多い
びまん性脱毛症 頭皮全体が薄くなる病気。女性に多い。 ・頭皮全体が均一に薄くなる
・特定の部位に集中して抜け落ちることはない
・女性ホルモンの変化やストレス、過度なダイエット、出産などが原因となることが多い
牽引性脱毛症 長期間にわたるヘアスタイルやヘアケアによって毛根が傷つけられ、毛が抜ける病気。
ポニーテールや三つ編みなど、髪を強く引っ張るヘアスタイルを長期間続けている場合に起こりやすい。
・特定のヘアスタイルを継続している
・抜け毛部分の頭皮が赤くなったり、かゆみを伴うことがある
脂漏性脱毛症 頭皮の皮脂の過剰分泌によって毛穴が詰まり、炎症を起こして毛が抜ける病気。 ・頭皮が脂っぽく、ベタつきがある
・フケやかゆみが出やすい
・男性ホルモンの影響も受けるため、AGAと併発することもある

AGA治療が気になったらまずはクリニックに相談を

AGA治療は、薄毛の進行を遅らせたり、発毛を促したりする効果が期待できる一方で費用や副作用などのデメリットも存在します。

薬物療法は、フィナステリドやミノキシジルなどの薬剤を使用し、比較的安価で手軽に始められます。効果が出るまでには数ヶ月かかる場合があり、性欲減退やEDなどの副作用のリスクもゼロではありません。

植毛手術は、自分の毛髪を移植するため、自然な仕上がりになる一方、高額な費用と手術後のダウンタイムが必要になります。

AGA治療は、医師の診断に基づき、自身の状況に合わせて最適な治療法を選択することが重要です。

「まだ大丈夫だろう」「そのうち治るだろう」と軽く考えずに、少しでも気になるところがあれば、早めに専門医に相談することをおすすめします。 AGAは進行性の疾患であるため、早期に治療を開始することが重要です。

AGA治療薬による治療の場合は、自宅で簡単に始められるオンライン診療に対応したクリニックもあります。
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