AGA治療を始めると、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」を経験する方がいます。

「せっかく治療を始めたのに、逆に抜け毛が増えてしまった…」

そう不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、初期脱毛はAGA治療が効果的に作用しているサインである可能性があります。

この記事では、AGA治療における初期脱毛のメカニズムや原因、正しい対処法を詳しく解説します。AGA治療の初期脱毛に不安を感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

AGA治療で起こる初期脱毛とは？原因とメカニズムを徹底解説

AGA治療で起こる初期脱毛とは、治療開始後、一時的に抜け毛が増える現象のことです。これはAGA治療薬の効果によって、髪の毛の成長サイクルが変化することが原因で起こります。

初期脱毛のメカニズムとヘアサイクルとの関係性

髪の毛には、「成長期」「退行期」「休止期」という3つのサイクル（ヘアサイクル）があります。

※参考：男性型脱毛症と育毛有効成分

AGAになると、男性ホルモンの影響でヘアサイクルが乱れ、成長期が短くなってしまいます。 その結果、髪の毛が十分に成長する前に抜け落ちてしまい、薄毛が進行していくのです。

AGA治療薬はこの乱れたヘアサイクルを正常化させる働きがあります。 具体的には、休止期の髪の毛を成長期へと移行させることで、新しい髪の毛の成長を促します。 この時、休止期にあった髪の毛が一気に抜け落ちるため、初期脱毛が起こります。

AGA治療で初期脱毛が起きる主な原因

初期脱毛の主な原因は、AGA治療薬に含まれる成分によるものです。

ミノキシジル	頭皮の血行を促進し、毛母細胞の活性化や髪の毛の成長を促します。
フィナステリド デュタステリド	男性ホルモンの働きを抑制することで、ヘアサイクルを正常化させます。

これらの成分が、休止期の髪の毛を成長期へと移行させるため、初期脱毛が起こりやすくなります。 特に、ミノキシジルは発毛を促すAGA治療薬であるため、初期脱毛が起こりやすい傾向があります。

※参考：男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

効果が出ているサイン？初期脱毛の意味を理解する

初期脱毛は、AGA治療薬がしっかりと毛根に作用し、髪の毛の成長サイクルが正常に戻り始めている証拠です。 つまり、初期脱毛はAGA治療の効果が現れているサインの一つと言えます。

	髪の状態
治療前	成長期が短く、細い毛が多い
初期脱毛	休止期の毛が抜け始める
治療後	成長期が長く、太くしっかりとした毛が増える

治療を始める前よりも抜け毛が増えることでショックを受ける方もいるかもしれません。 しかし、これは弱った髪の毛が抜け落ち、新しい健康な髪の毛が生えてくるための準備段階です。一時的に抜け毛が増えた後に健康な毛髪が生えてくるため、治療を継続することが大切です。

自宅で簡単にAGA治療が開始できるオンライン診療であれば、通院の手間がかからず人目も気にならないので、継続的に薄毛治療を受けることができます。

不安になる前に知っておきたい！初期脱毛が起きる期間と特徴

初期脱毛はAGA治療の効果が表れているサインの1つですが、期間や髪の毛抜ける量を把握しておかなければ、不安になりAGA治療を継続することができない場合があります。
以下では、AGA治療の初期脱毛が発生する期間の目安と髪の毛が抜ける量、範囲について紹介します。

いつからいつまで？初期脱毛の期間

初期脱毛は、AGA治療薬の種類や個人差によって、期間や特徴が異なります。

一般的に、初期脱毛は治療開始後の2週間～1ヶ月程度で始まり、1～2ヶ月程度で落ち着くと言われています。 しかし、初期脱毛の期間には個人差があり、中には3ヶ月以上続く場合もあります。

フィナステリドやデュタステリドを使用した場合、ミノキシジルを使用した場合よりも初期脱毛の期間が短い傾向があります。 また、もともと髪の毛が細い方やAGAが進行している方は、初期脱毛の期間が長くなる傾向があります。

抜け毛の量や範囲は？初期脱毛の特徴

初期脱毛で抜け落ちる髪の毛の量や範囲も個人差があります。 一般的に、健康的な人の髪の毛の場合でも1日に50～100本程度の抜け毛があるといわれており、頭髪を気にしているからこそ抜け毛を多く感じている場合もあります。

初期脱毛の特徴としては

などが挙げられます。

AGA治療の初期脱毛では、健康な状態でも見られる1日50～100本程度の自然な抜け毛が、一時的に2～3倍程度に増える可能性があります。
抜け毛が目立つ範囲は、AGAの症状が出やすいM字型の生え際の部分や頭頂部（つむじ周辺）、こめかみあたりです。

期間	症状の変化	具体例
1～2ヶ月目	抜け毛が増え始める（初期脱毛の開始）	今まで1日に50本だった抜け毛が100本に増える
2～4ヶ月目	抜け毛がピークに達する	1日に100～150本程度の抜け毛がある。シャンプー時や枕に付着した抜け毛が目立つようになる。
4ヶ月目以降	抜け毛が減少し新しい毛が生え始める	抜け毛が1日50～100本程度に減少し、産毛のような細い毛が生えてくる。

ただし、1日の抜け毛が300本を超える場合や、激しい頭皮の痛みやかゆみを伴う場合、また3か月以上続く抜け毛が続く場合は、通常の初期脱毛の範囲を超えている可能性があります。
このような症状は個人差が大きいため、気になる場合は担当医に相談することをお勧めします。

初期脱毛を乗り越えるために意識すべきポイント

初期脱毛はAGA治療の過程で起こる自然な現象ですが、ストレスを感じる方もいるかもしれません。 初期脱毛を乗り越えるためには、以下のポイントを意識しましょう。

ストレスをため込まないためのリフレッシュ方法

ストレスは自律神経のバランスを乱し、血行不良やホルモンバランスなどの乱れを引き起こします。 これらは、髪の毛の成長を阻害する要因となるため、ストレスをため込まないことが重要です。

ストレスを解消するために

など、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけるようにしましょう。

食生活や睡眠などの生活習慣を改善する

健康な髪の毛を育てるためには、バランスの取れた食生活と質の高い睡眠が不可欠です。

AGA治療の初期脱毛が発生しているときは、以下の食事がおすすめです。

おすすめの食事	理由
サーモンとアボカドのサラダ	オメガ3脂肪酸やビタミンEが豊富で、頭皮の健康を保つ。
鶏むね肉とブロッコリーの炒め物	高タンパク質で低脂肪。髪の生成を助ける栄養がたっぷり含まれている。
牡蠣と玄米のリゾット	亜鉛を多く含む牡蠣とビタミンB群豊富な玄米で毛根の栄養をサポート。
納豆キムチ玄米ごはん	ビタミンB群と乳酸菌で腸内環境を整え、髪と頭皮の健康に役立つ。
青魚の味噌煮	オメガ3脂肪酸が豊富で頭皮の血行促進に効果的。

また、睡眠不足は成長ホルモンの分泌を抑制し、髪の毛の成長を妨げます。 毎日同じ時間に寝起きし、質の高い睡眠を確保するように心がけましょう。

具体的には、22時から深夜2時までの間に熟睡することをおすすめします。この時間帯に質の高い睡眠をとることは、髪と頭皮の健康に大きく関わっています。
22時から深夜2時までに熟睡をすることで、髪の修復や成長を促す重要な役割を果たす成長ホルモンが十分に分泌され、髪の再生サイクルが正常に保たれ、新しい髪が健やかに育つ環境が整います。

次に、ストレス軽減の効果があります。ストレスはAGAを悪化させる要因の一つとされており、質の高い睡眠をとることでストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑えられます。
これにより、頭皮環境が改善され、抜け毛のリスクが軽減されます。

さらに、睡眠中には体の修復が行われますが、これは毛細血管の修復にもつながります。毛細血管が健康を取り戻すことで、頭皮への血流が改善され、髪の毛根に必要な栄養や酸素が効率よく届けられるようになります。
このように、夜22時から深夜2時までに熟睡することは、髪の健康を支えるために欠かせない要素です。生活リズムを整え、十分な睡眠を確保するよう心がけましょう。

初期脱毛が終わった後の変化とは？AGA治療で期待できる効果

初期脱毛が終わると、治療の効果が次第に現れ始めます。この時期には以下のようなポジティブな変化が期待できます。

初期脱毛が終わった後の髪の毛の変化

初期脱毛が終わると、太く健康な髪の毛が生えてくるようになります。 初期脱毛では弱く細い毛が抜け落ちますが、その後、治療の効果で毛母細胞が活性化され、新たな髪が太くコシのある健康な毛へと生まれ変わるため、髪の毛の密度が増しボリュームアップ効果が期待できます。

さらに、髪の質感が改善されることもあります。AGA治療によって頭皮の血流が良くなり、栄養が毛根にしっかり届くようになるため、髪がまとまりやすく、触り心地も滑らかになります。

AGA治療の効果が現れるまでには個人差がありますが、一般的には3～6ヶ月程度で効果を実感できる方が多いようです。

AGA治療の効果について詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてください。

AGA治療を継続することで得られる効果

初期脱毛後にポジティブな変化を感じ始めても、治療を中断してしまうと薄毛の進行が再び始まる可能性があります。
そのため、治療を継続することが非常に重要です。

AGA治療を継続することにより、進行する薄毛の抑制や発毛効果を実感することができ、見た目にも変化が表れてきます。

AGA治療の効果を最大限に引き出すために、定期的にクリニックを受診し、毛髪や頭皮の状態を医師にチェックしてもらうことや生活習慣の改善を心がけることが重要です。