シリコンバッグ

手術はどのような方法で行われるのですか?
ワキの下のシワに沿って、バッグの大きさによって異なりますが、だいたい4~5cmぐらい切開してそこからバッグを入れます。バッグを入れる場所としては、大胸筋という筋肉を肋骨よりはがして、そのすき間に入れる大胸筋下法。当院でおもに行っている大胸筋をはがさずに、大胸筋の上にバッグを入れる乳腺下法があります。バッグを入れた後は傷口を縫って終了です。その後はワキと胸の上側をテープで固定します。
手術の時間はどれくらいかかりますか?
手術自体の時間は20~30分ぐらいで終わります。麻酔をしたりするのに20分ぐらい、手術前に消毒をしたり手術後にテープをはったりしますので、すべて合わせると1時間ぐらいかかります。
腫れや青あざ(内出血)はでますか?
手術による腫れはほとんどありません。麻酔による腫れは少しありますが、目立たずに2~3日でひきます。青アザ(内出血)がでることもほとんどありません。但し血腫ができると、腫れや内出血がでますが、1~2週間でほとんど目立たなくなります。
傷跡は残りますか?
ワキの傷跡は1ヶ月ぐらいで目立たなくなり、半年~1年ぐらいでもともとあるワキのシワと同じようになり、ほとんどわからなくなります。手術後1ヶ月も経てばノースリーブを着たり、水着になったりしても大丈夫です。ワキ以外の傷はありません。またワキの傷の大きさですが、後でバッグの中に水を入れる生理食塩水バッグは3~4cmぐらいですが、それ以外のバッグは既にバッグの中に内容物が入っていますのでバッグの大きさによって違ってきますが、大体4~5cmぐらいです。但しコヒーシブシリコンの場合、少し固いので5~6cmぐらいになります。もちろんバッグが大きくなればそれに合わせて傷も大きくなります。
入院・通院は必要になりますか?
基本的に全身麻酔ではなく、局所麻酔で行いますので入院の必要もなく、手術後の痛みやフラフラとした気持ち悪い感じもほとんどなく、普通に歩いて一人で帰宅できます。 術後の通院は当院ではマッサージの必要のないテクスチャートタイプのバッグを使用し、ドレーンも使用していませんので、1週間後ぐらいに問題がないかどうか1度見せに来ていただくだけです。
痛みはあるのですか?
手術が終了して半日ぐらいは麻酔がよく効いていますので、ほとんど痛みがなく一人で普通に帰宅できます。しかし3~4時間経ってから徐々に痛みがでてきます。ちょうど家に帰ってしばらく経ってからぐらいです。当院では乳腺下法で行うことが多いので、術後の痛みは少なくてすみます。 乳腺下法ですと最初の2~3日は胸全体に筋肉痛のような痛みが残り、特に腕を動かしたりするときに痛みが出ます。翌日は軽い事務仕事や家事ぐらいしかできませんが、2日目ぐらいになるとだいぶ楽になって、会社や家事も少しできるようになります。痛みには個人差がありますが、2~3日ぐらいで痛みは楽になります。但し大胸筋をはがす大胸筋下法で行いますと、1週間は仕事や家事をこなすのは無理だと思っておいたほうがいいでしょう。 大胸筋は腕を動かす筋肉なのでそれをはがすことによって1週間は腕を動かすのにかなりの痛みを伴うからです。仕事に行けるようになるまでの目安は乳腺下法だと2~3日、大胸筋下法だと1週間ぐらいが目安です。
何か注意する点はありますか?
手術後2~3日はハードな仕事や重い物を持つのは控えて下さい。スポーツは2~3週間は控えて下さい。お酒は1週間控えてください。
仕事は普段通りにできますか?
当院では乳腺下法で行うことが多いので、2~3日後より軽い事務仕事ぐらいはできますが、できれば2~3日は痛みが強いので休んだほうがいいでしょう。4日目ぐらいからのほうが楽です。但し体を使うことの多いハードな仕事は5~6日目ぐらいからのほうがいいです。大胸筋下法ですと事務仕事や家事は1週間は無理です。ハードな仕事は2週間ぐらいはしないほうがいいです。
シャワーや入浴はしても大丈夫ですか?
最近は豊胸術の技術及びバッグも飛躍的に進歩し、手術後のトラブルや合併症も少なくなっています。主なトラブルとしましては、被膜拘縮(カプセル拘縮)があります。これはバッグのまわりに、被膜(カプセル)という膜ができて、その膜がまわりの組織とゆ着を起こし、胸をさわると固いゴムボールが入っているような不自然な感触になることです。被膜拘縮を起こしたからといって体に害はありませんが、感触がいかにもバッグが入っているという不自然なものになります。バッグを抜去すれば治りますが、できれば避けたいものです。 そこで当院ではすべてのバッグを表面がザラザラとした網目状になっているテクスチャード(textured)タイプのバッグを使用しているので、被膜拘縮を起こすことがほどんどなくなりました。大体100人に1人ぐらいまで減らすことができましたが、全く0%にするのはやはり無理で、非常にまれにですが起こすことがあります。昔はバッグの表面がツルツルのスムース(smooth)タイプのバッグが主流で、かなり高頻度に被膜拘縮が起こっていました。その他のリスクとして感染・バックが破れる・血腫などがあります。感染はまず起こりませんし、バッグも最近のバッグは非常に頑丈で10倍近く引き延ばしでも破れないので、交通事後などで瀕死の重傷を負ったりしない限り、日常生活において破れることはまずありません。 最後に血腫ですが、これは術後数時間後に手術部位より出血して、血液が溜まって胸が腫れることです。これもほとんど起こることはなく確率としては1000人に1人いるかいないかぐらいです。血腫が起こるとなるべく早めに、翌日か翌々日ぐらいには来院して、溜まった血液を出してあげればバッグを抜くこともなく治ります。普通は腫れたり、青アザ(内出血)は出ないのですが、血腫を起こすと腫れと青アザがひくまで2週間ぐらいかかります。
麻酔は?
麻酔はハイパーウェットメソッドという局所麻酔で行いますので、手術後の痛みがほとんどないので一人で普通に歩いて電車等に乗って帰宅できますが、御自身で車を運転して帰るのは安全上やめておいて下さい。 4~5時間くらい経つと徐々に麻酔がきれて痛みが出てきますが、遠方よりお越しの方でも、時間的に麻酔が効いている間に十分帰宅できます。帰宅されてからは少しずつ麻酔がきれて痛みが出てきますので、痛み止めの飲み薬と座薬を処方してますのでそれを使用していただければ、痛みはかなりやわらぎます。
胸の感触はどのようになるのですか?
感触はやわらかいので、胸をさわっても異物感はほどんどなく、人によってはバッグが入っているというのがわからない人もいますが、もともとやせていたり胸が小さかったりした人の場合は、よ?く触ってみるとバッグが入っているのがわかったりする場合もあります。バッグ自体のやわらかさがより自然な感触を実現する決め手となります。
マッサージは必要ですか?
表面がザラザラしたテクスチャードタイプのバッグであればほとんどマッサージは必要ありません。ヨーロッパやアメリカでは術後のマッサージを行ってないようです。術後にマッサージさせているのは日本特有のようです。 当院ではマッサージをしなくても被膜(カプセル)拘縮をおこす人はほとんどいらっしゃいません。そのことがマッサージ不要説を裏付ける一番の証だと思います。特に大胸筋下にバッグを入れたときに行うマッサージの痛みは悲鳴を伴うほどですが、その苦痛がなくなり、しかも通院の面倒さもなくなります。
授乳への影響はあるのですか?
乳腺下法でも大胸筋下法でも、乳腺は傷つけずに行いますので授乳には影響ありません。
レントゲンには写りますか?
健康診断や一般の内科医院で撮るレントゲンにはほとんど写りませんが、精密な画像診断装置(CTやMRI)などには写りますし、乳ガン検診とかでもバッグが入っているのはわかってしまいます。
どのくらい大きくなりますか?
大きさは入れるバッグの大きさを何ccにするかによって自由に決められます。大きさの目安として0.5カップUP50ccぐらい、1カップUP100ccぐらい、1.5カップUP150ccぐらい、2カップUP200ccぐらい、2.5カップUP250ccぐらい、3カップUP300ccぐらいです。 しかし日本人の体型とのバランスを考えると、もっとも美しくバランスのいい自然な形や大きさになるには、200ccぐらいです。200ccで2カップぐらい大きくするのがベストチョイスだと思います。
シリコンバッグの内容物は安全なのでしょうか?
90年代の初めごろアメリカでシリコンが体に害があるかもしれないということで、一時使用中止になりました。しかしその後のデータ分析により、シリコンが体内にもれだしたとしても発ガン性や免疫異常をひきおこす危険性がないことがアメリカの厚生省(FDA)より発表されました。 しかし一度危険性を指摘させると、メーカーは競って新しいタイプのシリコン、つまりバッグが破れたりしても外にもれない構造のコヒーシブシリコンや、内容物がもれても尿とともに体外に排出させる生理食塩水バッグやCMCジェルを開発しました。 現在ではこれらのバッグの安全性が認められ、アメリカ、フランス、EU(ヨーロッパ共同体)などの先進国が認可されたバッグがたくさん発売されています。当院ではそれらの安全性が認可させたバッグのみをお勧めするようにしています。
乳腺下法と大胸筋下法はどちらがいいのでしょうか?
バッグを入れる場所は2通りの入れ方があります。大胸筋という腕を動かす筋肉がありますが、その筋肉を肋骨よりはがして大胸筋と肋骨の間にバッグを入れる大胸筋下法と、大胸筋をはがさず大胸筋の上の乳腺下に入れる乳腺下法です。大胸筋下法ですと、大胸筋をはくりしますので、手術後の痛みが強くでます。大体一週間ぐらいは仕事や家事もできないと思っていただいていいでしょう。 一方、乳腺下法ですと筋肉ははがしませんので術後の痛みは大胸筋下法より軽くて、2~3日で楽になり仕事や家事を行えるようになります。触感は大胸筋下法ですと筋肉がバッグとの間に入るのでやや固く、乳腺下法ですと筋肉の上にバッグがのっているので、バッグのやわらかい感触がダイレクトに伝わりよりやわらかく感じられます。 形も乳腺下法ですとバッグが乳腺の真下に入るので、アンダーにボリュームのある自然なつりがね型になりますが、大胸筋下法ですと大胸筋と肋骨の間にバッグを入れるので、アンダーの部分にすきまができて、弱冠バッグが乳腺より上の位置に入るので鳩胸のように、上にボリュームがあってアンダーにボリュームのない不自然な形になりやすくなります。
シリコンバッグの耐用年数はどれくらいですか?
シリコンバッグが開発された数十年前は、数年でバッグが破れたこともありましたが、最近のバッグは耐久性が飛躍的に伸び、何十年と破れることはないだろうと言われています。従って入れ替える必要もないのではないかと思われます。
シリコンバッグが破れることはないのですか?
最近のバッグは耐久性が向上していますので、日常生活において破れることはほとんどありません。瀕死の重傷を負うぐらいの大きな事故にでもあわない限り破れることはないと言えるでしょう。
胸の形は変えられますか?
バッグの形や大きさで多少胸の形は変えることはできますが、基本的に個人個人が生まれつきに持った胸の形を変えることはむずかしく、それぞれの人の胸の形のまま大きくなると考えておいたほうがいいでしょう。
SEXは避けた方がいいのですか?
SEXは術後1週間ぐらいから可能ですが、最初の1ヶ月ぐらいは胸を強くもまれたりすると痛いでしょう。そのうち胸を強くもまれたりしても痛みはなくなってきます。
乳首の感度に変化はありますか?
特に乳首の感度に変化はありませんが、まれに感覚が少し鈍くなるという報告もあります。しかしそういう場合は非常にまれなケースだと思っていただいていいでしょう。
ドレーンは入れなくても大丈夫ですか?
術後に胸の中にたまった血液を体外に出すドレーンという管を2~3日ワキから出して、弁当箱のような箱をぶらさげて、そこに血液をためる方法があるようですが、当院では行っておりません。ドレーンをつけておくとかなりの負担と苦痛がありますし、感染などの危険性もともないます。 当院では出血の少ないハイパーウェットメソッドという麻酔法の採用により、ドレーンをつけなくても血腫をおこすことがほどんどないからです。

まずは、お気軽にご相談ください